つばさブログ

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ワンマンライブとは違うフェスでの【クリープハイプ】の顔〜ビバラでの出来事〜【ライブレポート】

フェスでのクリープハイプは、ワンマンの彼らとは全く違う表情で太客にとってはそれはそれでおもしろい。

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このライブレポートを書く上で一つ断り。
それはビバラのステージで尾崎さんが「ロックフェスというのは、パソコンとかスマホの画面上でライヴレポートを見ても、なんにも伝わらないと思います。」と言う発言を実際に耳にし、同感した上で書いているということです。

 

開始時刻となり、ステージは暗転。
いつものようにSEなしでぬるっと尾崎さん以外のメンバーが入場。SE無しのいつもの入場に対しフロアからは「SEないんだねぇ」とちらちらと聞こえつつ、ステージに目をやるも尾崎さんが入ってこない。メンバーが楽器を持ちやっと尾崎さんが入ってきた。そして奏でられたのは『5%』。フェスではクリープハイプに限らず一曲目に盛り上がる曲をやることが多いが、まさかのバラードしかもクリープの中でもかなりゆったりした曲を持ってくるとは。

 


「いつもはドSに始めるんですけど、優しい気持ちになって、しっとりと始めてみました。その方が痛くないと思ったんですけど、濡れました、みなさん?」と一般的に連想されるクリープのイメージに沿った煽りで尾崎さんが観客を盛り上げる。

そして、『鬼』、『おばけでいいからはやくきて』とタイアップ曲を連投。そして、「大炎上の歌を歌います」と『火まつり』へ。曲が始まるとこの日クリープと同じステージに立ったthe telephonesの演出で火が使われていたため、クリープが初めて武道館に立った時の『火まつり』の演出の再現が行なわれるかと思ったがそれはなかった。

 


再び尾崎さんが口を開き、「みなさんフェスの時に神セトリ(ここで尾崎さんが噛む)というじゃないですか。噛んじゃった、これじゃ噛みセトリか。こんなことはどうでもよくて、有名曲並べてるだけでペラペラな紙セトリなんですよ。今日は本気で神セトリやりにきました。」

 

そして、『ラブホテル』へ。この曲をクリープハイプが演奏し始めると冬が終わり夏に向かっていくんだなと思いつつ、大サビ前のMCに注目していると。尾崎さんが真下を向き、おそらく最前列付近の太客だと思われるオーディエンスに対して、「メンヘラ、メンヘラ言われるだろ? メンヘラの力、みせてみろ」と言いながら顔を振る奇行に走り「もうこれで舐められないと思うよ、大丈夫だと思うよ」とワンマン時のトーンで優しく語り大サビへ。この場面の尾崎さんは明らかにワンマンの時の姿であった。フェスだからと見にきた人にはどのように映ったのかは分からないが、愛があった。

 

ライブは中盤戦に移り、再びシングル曲の『イト』、『憂、燦々』、『二十九、三十』と神セトリを進行させていく。だが『イト』、『憂、燦々』では普段のライブでは見られない光景があった。それは『イト』のBメロで〈パンッパパン!フー!〉という合いの手をする者が多くいたのだ。そして『憂、燦々』ではサビで〈手を横に振る人〉がいた。ワンマン、少なくとも私が観てきた中ではこのようなことが起きた場面に遭遇したことはなく驚いた。恐らくワンマンに持ち込まれることはないと思うが。

 

「やりますか、セックスの歌」と告げ、『HE IS MINE』へ。この曲は前回のツアーから必ず演奏される曲ではなくなったがやはりまだ人気は高く歓声が上がり、あの言葉もみんな知ってますよとばかりに埼玉スーパーアリーナに鳴り響いた。

セカンドシングル『社会の窓』、そして『社会の窓と同じ構成』とアップテンポな曲が続く。

 

「ロックフェスというのは、パソコンとかスマホの画面上でライヴレポートを見ても、なんにも伝わらないと思います。そんな簡単なあらすじにまとめられてたまるかって思って、やってます」と生の気持ちよさを伝え、
「ビバラはずっと自分たちのホームだと思ってるんで、何かあったときに、帰ってきたいと思ってます。ここに栞をはさんでおきます」とラストの曲『栞』へ。

 

ここでクリープファンにとって二つの疑問が浮かぶ。
一つ目は、トリのバンドの最後の曲で発射される銀テープの言葉だ。1日目のKEYTALK、2日目のASIAN KUNG-FU GENERATION共にそれぞれに合った言葉が印字されていた。
二つ目は、アンコールを行うかどうかだ。前々回のツアーからクリープハイプはアンコールをやめた。この彼らの信条をフェスでも貫き通すのかということだ。フェスはやはり彼らだけのものでなく大人の都合、忖度もありどのようになるのかと。

 

 

 

結果は、
一つ目の言葉は「今年でこの4人になって10周年。おめでとう」という祝福だった。
二つ目は、アンコールを行なわなかった。演奏後プロデューサーの鹿野淳が登場し10周年を祝うメンバーの顔が描かれたケーキを渡し終演した。

 

 

 

終演後「神セトリだったねぇ」といろんなところから聞こえてきた。しかし、どう考えてもビバラのライブは“紙セトリ”だった。クリープハイプは“紙セトリ”を“神セトリ”のように見せかけたのだ。それはワンマンには来ない人にはこれくらいが“神セトリ”でしょ?だって太客やワンマンに行く人なら前回のツアーの方がよっぽど“神セトリ”だったしょ?と……考え過ぎかもしれないがそんな気がしてならなかった。

クリープハイプ史上初のフェスのトリは紙セトリであったがパフォーマンスは神パフォーマンスであった。

 

 

 

セットリスト

1. 5%
2. 鬼
3. おばけでいいからはやくきて
4. 火まつり
5. ラブホテル
6. イト
7. 憂、燦々
8. 二十九、三十
9. HE IS MINE
10. 社会の窓
11. 社会の窓と同じ構成
12. 栞