先日「F◯CK OFF」と書かれたTシャツを入手した。
- 「F◯CK OFF」と書かれたTシャツを入手
- DIGAWELというブランドについて
- 尾崎さんが「F◯CK OFF」と書かれたシャツを衣装にしていた時期
- 「F◯CK OFF」と書かれたシャツとクリープハイプ
- おわりに
「F◯CK OFF」と書かれたTシャツを入手
「F◯CK OFF」の日本語訳はかなり強く「立ち去れ、出て行け」といった意味である。
なぜこのTシャツが欲しかったというと、四年ほど前、2015年にこれと同じブランドで同じく「F◯CK OFF」と書かれたシャツを尾崎さんが着ていたからだ。
全く同じものを探しているが、なかなか出てこないのでこちらを入手。
実際に尾崎さんが着ていたものは以下のものだ。
「SWEET LOVE SHOWER 2015」ありがとうございました!当日も今日の様な雨で、とても思い出に残るステージでした。 /スタッフ pic.twitter.com/COxSn6rUPw
— クリープハイプ (@creephyp) September 1, 2015
DIGAWELというブランドについて
このTシャツはDIGAWELというブランドのもの。DIGAWELとは2006年に西村浩平がスタートさせたブランドで着やすいデザインでありながらも特徴的なデザインの印象。
今回紹介するTシャツは2013年の春夏モデル。
実際に尾崎さんが着ていたものがいつのものかはアーカイブが見当たらないが同時期に発売されたものだろう。
先にも書いたが、DIGAWELというブランドは着やすいデザインのものが多い。しかしお世辞にもこの服は着やすいとは言えない。だって、「立ち去れ、出て行け」と書いてあるのだから。
だがこの言葉に込めた思いを考えるとただ罵倒しているだけではないと思う。
13年シーズンはRadioheadの楽曲“How To Disappear Completely”をテーマ名にしている。デザイナーの西村浩平はロックンロールの精神を「F◯CK OFF」、「NOTHING TO LOSE」、「ここでは無いどこかへ」と語っており、この中の「F◯CK OFF」をTシャツに落とし込んだのだろう。しかし、彼自身は自ら作る洋服自体にメッセージ性は持たせていないというが、買いたいという衝動が生まれるくらいのものはデザインに込めているそうで、おそらくこの衝動というものが私たちにとってはメッセージなのだ。
尾崎さんが「F◯CK OFF」と書かれたシャツを衣装にしていた時期
さて、尾崎さんがこのシャツを着ていたのが2015年のSWEET LOVE SHOWER。2015年というとレーベルを移籍して1年が経ち、5月に“愛の点滅”、9月に“リバーシブルー”のみをリリースとかなりゆったりとした年であった。またこの時期というのは、今はもう考えられないが一般販売でチケットは買えていたし、翌年にリリースした“破花”に関してはライブ会場で予約をするとサイン入りpass風ステッカーがもらえ、人気というのも今よりも高まっていない時期である。
そんな時期にこのTシャツ、しかもデザイナーの意図を知らなければかなりメッセージ性のある服を着ていたというのは何か理由があったのではないだろうか。
「F◯CK OFF」と書かれたシャツとクリープハイプ
もう一度服について戻るがこのTシャツは一瞬プリントのように見えるが、プリントではない。
「F◯CK OFF」という文字を囲うギザギザの黒い部分は全て糸で縫われできている。これがどこか音楽のノイズに見えるし、またインクの出ないボールペンで掠れてしまっているようにも見える。
これは自分の中でうまくいかないイライラや考えてもどうしようもないのにモヤモヤと悩んでしまうことを表しているのではないだろうか。そして、このどこかに放り投げたいやりきれない感情に対して「F◯CK OFF」、「立ち去れ、出て行け」といっているように感じる。
このメッセージというのは、クリープハイプの曲中にもよく出てくる感情である。ボールペンで掠れてしまう“傷つける”、どうしようもないイライラを歌う“身も蓋もない水槽”、他にもまだまだクリープハイプの曲とリンクするものがある。加えて、このシャツを着ていた時期というのは、リリースもなく動員も少なかった時であり尾崎さんの中にも何かやりきれないモヤモヤがあり、そんな自分に「F◯CK OFF」と言いたかったのかもしれない。
おわりに
服装はその人を表すという。本当に表しているかどうかは自分やそれに近い人にしか分からないし、場合によっては自分でも分からない。だが、見る人はその服装で何かを読み取りたくなる。それが好きな人だと特にだ。今回の考察について知る由もないが、Tシャツのディティール、尾崎さんが着ていた時期、クリープハイプの音楽を鑑みると「F◯CK OFF」には言葉以上のメッセージがあるはずだ。
DIGAWEL