新メンバー加入でそれでも世界が続くならは優しくなった。
メンバーが変われば…
メンバーが変われば、音が変わりバンドの雰囲気も変わる。そんなことは音楽をやっていようがいまいがなんとなく分かること。この変化がバンドの中で受け入れられないから活動休止したり解散したりするバンドがいて、オーディエンスは離れていく。もちろんそれはその人個人の感性だから受け入れられるべきことである。
それでも世界が続くなら、新メンバー加入
9月1日、それでも世界が続くならに新ドラマーとしてツチヤカレンが加入した。
それでも世界が続くならは、Vocal,Guitar篠塚 将行、Guitar 菅澤 智史、Bass 琢磨 章悟、Drum ツチヤカレンによるフォーピースバンド。
前ドラマー栗原 則雄が脱退を申し出たために、昨年9月から活動休止、今年2月に正式に脱退しその後サポートメンバーでそれでも世界が続くなら(仮)として活動していた。
代表曲は「参加賞」、「水色の反撃」等。
新メンバー加入してそれでも世界が続くならは変わったのか?
彼女が正式加入する前、それでも世界が続くなら(仮)という状態でライブを観たときに、どこか優しさを感じてしまった。
それでも世界が続くならは、篠さん(Vo.)が自ら言うように人を救うバンドがいなかったからやっているというように人を救うバンドである。しかし、彼らの救いはかなり劇薬で強い衝撃で救われるのの副作用のある音楽だった。
これらの曲が、曲のテーマが「生と死」「いじめ」「生き辛さ」「自殺」「社会への抵抗」等と一つ一つに重さがあり、それらが爆音のノイズの中で、耳馴染みのいいメロディが針の糸を通すようにオーディエンスに届く。
曲のテーマが日々の情景を露わにし、爆音のノイズが毎日の辛さに輪郭をつけ痛みを感じるも、耳届くメロディと歌詞が日々の中からの救いのように聞こえてくるのだ。
しかし、聴いた後にどこか副作用が残るかのように古傷が痛むような救いの喪失感があったのも事実だ。
新体制になってからのそれでも世界が続くならは、暖かみがありどこか優しい。
1つ、当たり前ではあるがツチヤカレンの加入だろう。彼女のドラムはすごく力強く他の楽器に埋もれない主張がありつつも土台をドッシリと構えている。それは篠さんがツチヤカレンを「女子バスケ部の部長」と形容したイメージそのものが音に現れていると思う。また、彼女自身がもともとそれでも世界が続くならを好きだった訳じゃないというのも要因だろう。篠さんがそれせかを好きな人とやりたくないとし、彼女とはたまたまクラスメイトになった子と気が合ったのと同じというようにいい意味で距離感があるからなんじゃないか。もし憧れを持った人ならば土台というよりも後を追うようになってしまったのかもしれない。
もう1つは、メンバーの心持ちの変化にあるのではないだろうか。篠さん自身もうバンドをできないのではないのかと思っていたというが、他のメンバーはやりたいと言っていたそうだ。その中で篠さん自身がそれでも世界が続くならの存在意義を再び考え、やはりやりたいと思うようになったという。このようにバンドへのモチベーションや存在意義の再確認によって音も変化したのではないだろうか。
それでもの世界が続くならの変化は、隠し持っていたい劇薬から諸刃のお守りになったと思う。とても抽象的ではあるが劇薬よりも安心感がありいつでも持っていたい思えるようになった。
おわりに
それでも世界が続くならは、音楽性がとか、メンバーがとかではなく、バンドとしている存在しているだけで意味があり、救いになる人がいる。どうかいつまでも無理をしない範囲でバンドが続いてくれることを願いたい。