つばさブログ

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ロックバンドドラマチックアラスカ、「ジュブナイル」で青春をリスタート

ロックバンドドラマチックアラスカ、「ジュブナイル」で青春をリスタート

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新曲「ジュブナイル」MVを公開

前作『最後のフロンティア』から約1年ぶりに『愛や優』をリリースする。

これに伴い「ジュブナイル」のMVが公開された。

作曲ドラマチックアラスカ前ベーシストのマルオカケンジ、プロデュース山本聡(ガガガSP)を迎え体制は万全の本ナンバー。

まず一度聴いて欲しい。

youtu.be

 

 

 ドラマチックアラスカとは

ドラマチックアラスカは、2010 年同じ高校に通うメンバーで結成された“神戸”出身のフォーピースバンドである。

代表曲は、『無理無理無理』、『人間ロック』、『リダイヤル』等。

www.youtube.com

 

 

ジュブナイル」で描いた青春の意味とは?

ジュブナイル」とは少し硬くティーンエイジャーを意味する言葉。

原来のロックである社会に対しての抵抗を表現してきたドラマチックアラスカの曲の中ではかなり爽やかなナンバーとなっている。

この曲は青春の終わりである高校三年生の夏がテーマ。

 

 

高校三年生とは、青春の最後の年であり大学受験や社会に出るといった大きな門出を迎える時。

一方、はじめて社会に出るということは今までの学生生活とは全く違う大人社会にのまれていくことになる。

社会にのみ込まれていくということは、自分を成長させてくれるいい機会でもあるが、人の汚い面や妥協しなくてはいけない場面も増えてくるということでもある。

 

 

しかし、高校三年生というのはまだ社会を知らず自分の夢を持ち挑戦したいという志がまだ宿っている。

しかも、夏休みは学校もなく時間があり好きなことができる。この時間を挑戦したいことに目一杯使って挑戦するという青春の1ページが思い浮かぶ。

 

 

そして高校三年生の夏休みは人生とも似ている。

この曲の終わりに〈鼓動は有限 可能性は無限大〉という歌詞がある。

人生とは長いようで一生続きそうないわば長い夏休みのように感じるが夏休みは終わる。もちろん人生もいつか終わる、しかも夏休みと同じようにあっという間に。

しかし、夏休みは行動をすれば何事もできる期間でもある。

人生も夏休みと同じで行動を起こせば何でも挑戦できる、人生も〈可能性は無限大〉ということを表現したのだろう。

 

 

学校を出ると高校生のような長い休みは中々なく、好きでもない仕事をこなす日々を送る人が大方であろう。

何かやりたいことがあったとしても言い訳を引っ張り出しては無限大の可能性を台無しにしていないだろうか。

 

しかし、人生には限りがあり突然に終わる。

だからこそ、今一度高校生の頃のような、ジョブナイルに戻って自分のやりたいことを初めてみてはいかがだろうか。

 

そんな新たな一歩を踏み出すのを後押ししてくれる、ジュブナイルな応援歌だ。

 

 

 

『最後のフロンティア』から「ジュブナイル」へ

上述したことを、この曲だけを聴くと感じる。

しかし、この曲は単なる応援歌ではなくバンドを一からやり直す、ドラマチックアラスカにとってリスタートの曲ではないか。

 

前作『最後のフロンティア』は、語弊があるかもしれないがボロボロに傷つきながらやっと辿り着いた唯一のフロンティアを歌っているように感じる。

前作はドラマチックアラスカの代表曲のリテイク、過去の収録曲、未収録曲で構成されていた。

 

代表曲のリテイクは、曲のもつ卑屈さ、やり切れなさを最大限に濃縮させ、ライブのように感情をむき出しに再構築した。(聴き比べてもらえばさらに実感できるだろう。)

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過去の収録曲や未収録曲は、思うようにいかない、安全地帯から好き勝手いうような世界を最大限の卑屈さに落とし込んだ上で、絶対に勝ち上がっていくことを誓う曲が多い。

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このように社会に対して抵抗するということは、日本のロックの流行りではないし、批判も大きいだろう。

しかも音楽業界からは死んだバンド扱いされているとなれば卑屈になるのも理解できる。

この卑屈さは戦っている証なのだ。

www.tsubasa518.com

 

 

 

最後の2曲「おつかれさま」、「25」で、卑屈になりボロボロになりながらも戦地から逃れ最後のフロンティアで仲間(ファンやバンド、自分)に対して優しく語りかけアルバムを終える。

このように、今まで戦ってきた軌跡と変わらぬ想いを今できる精一杯詰め込んだのがフルアルバムの前作だった。

 

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『愛や優』リリースに際してヒジカタのコメントでは、歌詞が書けずにリリースを諦めそうになったという。もしかしたらバンドを止めようと思ったかもしれない。

 

しかし、前作で参ってしまい、今作を完成せずに社会に押しつぶされて音楽をやめてはロックではないというのがドラマチックアラスカの強さだ。

ジュブナイル」には、収録曲の中でどの段階で完成したのか分からないが、死んだバンド扱いされたことから開き直り生まれ変わったドラマチックアラスカがある。

そして、高校三年生の夏休みのような挑戦したいことに対しガムシャラで青々しい満ち満ちと滾るエネルギーを感じる。

これは終わったバンドと言われたが一度終わったのならばまたやり直せばいいという不屈の精神だ。

 

 

 

終わりに

ドラマチックアラスカにとってリスタートの曲であり、新たなアンセムジュブナイル」。

死んだバンド扱いされたドラマチックアラスカは「ジュブナイル」で生き返ったと言っていいだろう。

新アルバム『愛や優』では一枚を通してどのようなロックが表現されるのか今から待ち遠しい。

 

 

 

dramaticalaska.com